新興国投資戦略 〜BRICs〜中国
新興国に投資するにあたり、トレンドが存在します。期待され、もてはやされ、資金が過剰に流れ込んでくる様はまさにバブル。
過去 2003年に、ゴールドマンサックスが発表したレポートによると、2050年にはGDPの順位は 中国、アメリカ、インド、日本、ブラジル、ロシアの順番となっているだろう予測されていました。このうち4ヶ国がBRICsです。
BRICs CHINA
BRICsは経済発展が著しい代表的な4ヶ国を表します。新興国と呼ばれる国々の総称として最もメジャーな名称です。
ブラジル、ロシア、インド 、中国の頭文字を取って複数形を表すsをつけたものです。
その後、南アフリカを入れてBRICSにしたり、インドネシアを加えてBRIICSという呼び方をしたりと都合の良い扱いを受けているカテゴリー群です。
今回は中国をピックアップ。
中国株価指数
上海総合指数
日本との人口構成比
日本
年少人口(0~14歳) 13.2%
生産年齢人口(15~24歳) 9.7%
生産年齢人口(25~64歳) 51.3%
高齢者人口(65歳以上) 25.8%
中国
年少人口(0~14歳) 17.1%
生産年齢人口(15~24歳) 14.7%
生産年齢人口(25~64歳) 58.5%
高齢者人口(65歳以上) 9.6%
どこまでも人口が増え続けるイメージがある中国ですが、現在の予想では2030年で頭打ちと考えられています。それ以後は日本同様 高齢者数を大幅に上乗せて、若年者数を減らしながら、人口全体も減っていく見込みです。
高齢者数の増加も2060年で止まるとされていますが、若年層の減り方は一層大きくなり、高齢者比率は横ばいとなります。高齢化への歩みは日本より加速度がありますが、最終的には日本と同じような比率になるとされています。現在日本で起きている問題が2030年以降、そのまま中国で問題になるということです。人口の絶対数が日本より格段に多いために、問題は深刻になる可能性があります。
経済成長率
2000年以降、急激に経済成長した中国は世界から注目される経済大国の仲間入りを果たしました。リーマンショック後には、いち早く景気が回復したかに見えたのですが、近年の経済成長は下降の一途をたどっています。
原因はおそらく一人っ子政策の副作用が顕著に現れてきた為と考えられています。中国のGDP伸び率は6年連続で低下して、1989年の天安門事件で中国が西側の経済制裁を受け、経済成長が急低下した90年の3.9%以来、26年ぶりの低水準になっています。
インフレ率
ここ数年 中国のインフレ率は景気減速も影響してか低水準で推移しており、政府が定めるインフレ目標を下回る展開が続いています。
2015年の株式バブルの発生と崩壊を受けて、その後の金融緩和に伴って過剰な資金は不動産に流入しています。その結果 大都市を中心に不動産価格は上がってきており、現状はバブルが懸念されている状態です。
今後の見通し
未来はわかりません。予測しても無駄ですが現時点での見解です。
中国経済の現時点での最大のリスクは住宅バブルです。
住宅バブルが崩壊すれば、金融システムも不安定化する恐れがあります。そもそも中国では、過剰設備・過剰債務問題を解消するためにゾンビ企業の淘汰を進めているため、不良債権は増加傾向にあります。それに加えて、16年に急増した個人の住宅ローンまで返済が滞ることになると銀行が抱える不良債権は急増する恐れがあるため、住宅バブルが弾けると、一気に中国経済は暴落する可能性が非常に高いと言えるのではないでしょうか。
リスクを抱えている状態ですが、バブルが弾ければ買いのチャンスがやってきます。恐れずに経済と向き合うのがベストですね。
データ引用 世界経済のネタ帳、SBI証券|株・FX・投資信託・確定拠出年金・NISA、大和総研