新興国投資戦略②
一昔前、BRICs(ブラジル、ロシア、インド、中国)が投資の世界で持てはやされました。しかし最近は、全く話題にあがりません。
新興国株式はずっと先進国株式より出遅れていて、機関投資家やメディアが愛想を尽かしてしまったからです。
ですが人口増加やグローバル企業の生産拠点、新エネルギー開発などと短期では判断できない材料がたくさん眠っています。そこに魅力を感じているわけです。
地球規模で考えろ
世界経済を見れば競争社会そのものが成長につながっています。全ての経済環境下の中で競争を強いられているわけです。それを生き抜かなければ落ちていくだけです。どこかが進めばどこかが後退します。それは国家レベル、企業レベル、個人レベル。違いはありません。
そして国としても、企業としても現在頂点に君臨しているのがアメリカです。トップにして独走状態です。キングオブキングです。
地球はアメリカを中心に動いているといっても過言ではない訳です。
日本はどうなのか
現在の日本には、爆発的な経済成長力はもはやありません。一歩一歩確実に進む術しかないのです。加速は出来ても飛ぶことはできません。しかし、過去にはありました。産業革命の大波に乗り世界レベルの最前線へ一気に躍り出た時期がありました。今後、過去のような革新的な産業発展が見込めるのでしょうか。
実際そういった技術が開発されても、先手を取られてアメリカ、中国、韓国にリードを許してしまう可能性が非常に高い訳です。宝の持ち腐れ国家は現状維持 もしくは地道にほふく前進しながら成長をするのでしょう。
エコノミックブレイカー
新興国からは、バブルの経済成長期の日本のように一気に大波に乗って最前線に躍り出る国が現れるのです。今はゆっくりした速度ですが、彼らは突然進化します。いくつものステップをすっ飛ばして突然隣にやってきて、気づいた時には遥か彼方へ飛んでいってしまう潜在能力を秘めています。規制や概念をぶち壊すエコノミックブレイカーです。
新興国投資戦略
ですが、新興国に投資する際には多くのリスクにどう向き合えばいいのか。ストレスにならないのか。
これに対する一つの解として、長期投資で広く分散させることが私の出した答えです。
変動が激しく、流動性も低く、取引コストも高いので短期売買には全く向いていません。
期待されるリターンが高いと言っても、それはあくまで長期的展望が前提での話であり、おそらく短期的に見れば大きなマイナスを被る確率が高いです。
新興国への投資はリスクが大きいですが、リスク管理がしっかりできればその分大きなメリットとして期待できるはずです。大切なのは高いリターンを追い求めることではなく、リスクを管理するという投資における基本的な姿勢が大事なのです。
リバランス時のキャピタルゲイン
自分で設定したアセットアロケーションをマネジメントする際に、リバランスを行います。
この時に投資家はバランスを戻すために、買い足すか、売り減らします。
アセットアロケーションの中でも、ボラティリティの高い新興国投資枠は好調な時ほど枠をはみ出してきます。このはみ出した部分こそ、投資家にとって素晴らしいキャピタルゲインとしての旨味になるかもしれないわけです。
米国高配当戦略×新興国投資戦略
米国投資において、高配当戦略が一つの解として認識されています。高配当銘柄に投資してそこから得るインカムゲインを再投資し、効率的に資産を増大させるシンプルな戦略です。
ここに追加できる資金が乗ってくれば、さらなる資産形成にブーストをかける事が出来るのではないでしょうか。これを可能にするのが新興国投資戦略の目的です。
ですが、そればかりに期待しては本末転倒です。しっかりとした土台がある上でのスパイス程度のものです。
リターンを追いすぎずに、リスク管理を徹底的に行う。
この姿勢が新興国投資においては非常に肝になってきます。そうすれば自ずと新興国投資はスパイスとしての役割を担い、資産形成においてのアクセントになってくれるはずです。
新興国への投資は自分の資産のリスクを上げる直接的な原因になります。リスクを許容できないのならば、この戦略は選択肢に入れないことを推奨します。