新興国投資戦略 〜BRICs〜ロシア
新興国に投資するにあたり、トレンドが存在します。期待され、もてはやされ、資金が過剰に流れ込んでくる様はまさにバブル。
過去 2003年に、ゴールドマンサックスが発表したレポートによると、2050年にはGDPの順位は 中国、アメリカ、インド、日本、ブラジル、ロシアの順番となっているだろう予測されていました。このうち4ヶ国がBRICsです。
BRICs Russia
BRICsは経済発展が著しい代表的な4ヶ国を表します。新興国と呼ばれる国々の総称として最もメジャーな名称です。
ブラジル、ロシア、インド 、中国の頭文字を取って複数形を表すsをつけたものです。
その後、南アフリカを入れてBRICSにしたり、インドネシアを加えてBRIICSという呼び方をしたりと都合の良い扱いを受けているカテゴリー群です。
今回はロシアをピックアップ。
ロシア株価指数
ロシアの株価を見るときは米ドル建てのRTS指数とルーブル建てのMICEX指数があります。
使用するのはRTS指数
日本との人口構成比
日本
年少人口(0~14歳) 13.2%
生産年齢人口(15~24歳) 9.7%
生産年齢人口(25~64歳) 51.3%
高齢者人口(65歳以上) 25.8%
ロシア
年少人口(0~14歳) 16.4%
生産年齢人口(15~24歳) 10.7%
生産年齢人口(25~64歳) 59.6%
高齢者人口(65歳以上) 13.3%
ロシアは人口減少の傾向にあります。他の新興国BRICsに比べて日本に近いです。
また高齢者の比率は2055年頃に約24%のピークとなり、その後は緩やかに増加していくだろうと言われています。
経済成長率
ソ連は紆余曲折の末 1991年の12月25日 ゴルバチョフの大統領辞任に伴い崩壊。その後、エリツィン大統領率いるロシア連邦が成立しました。
ロシアは1998年の通貨危機、2008年のリーマンショックといった過去に大きな景気後退がありました。
その時と比較して現状は悪くなく、要因としては変動相場制による外的ショックの吸収、金融システムの健全性向上に向けた取り組み、外貨準備の増加などにより対外純債権国に転じたことがあげられます。
インフレ率
1992年のロシアのインフレ率は、なんと約2500%と驚異的数字。さらに1993年、94年、95年も、ロシアのインフレ率はそれぞれ900%、300%、200%くらいありました。
景気低迷に伴うインフレ圧力の後退も重なり、足下のインフレ率は3%台に収束するなど安定してきています。
中央銀行は昨年以降、インフレ率の低下を追い風に利下げの動きを強めています。
物価及び金融市場を取り巻く環境は落ち着きを取り戻しきており、ロシア経済を巡る状況は着実に改善に向けて動いています。
今後の見通し
ロシアの主な輸出品目は天然ガスや石油などの莫大な地下資源です。
2014年以降、原油価格は急落し、主な取引先である欧州連合が経済制裁を決めたことで、ロシアの輸出は大打撃を受けました。
しかし、その後原油価格が底打ちしたこと、ロシア連邦中央銀行の手堅い金融政策などにより、大不況は回避出来ました。
現在、欧州の景気は好調です。北朝鮮と話し合いによる緊張の緩和を進めるのであれば、ロシアの協力は絶対です。
このため、ヨーロッパはそろそろロシアへの経済制裁を解除していこうという動きが今後出てくると考えられています。
原油安と経済制裁による輸出量の急減で苦境に立っていたロシアが、復活の兆しを見せ始めています。誰も見向きもしなかったロシア株を買うには、今が絶好の相場状況なのかもしれません。
ですが、あくまでも新興国投資。資産全体のバランスを考えて最低限の比率にすることを推奨します。
データ引用 SBI証券|株・FX・投資信託・確定拠出年金・NISA、世界経済のネタ帳