新興国投資戦略〜インド市場は高いの?安いの?〜
世界経済絶好調
現在、世界株式は堅調に推移しています。
米国、日本共に株価は続伸を続けており、世界株式指数(MSCI World Index)は史上最高値を更新しました。
こういった背景により、現在の株価は世界的に見て割高といった判断がされています。
しかし、過去にも幾度となく割高と判断された時期はあり、それに逆らうかのように株価は続伸し続けたかと思いきや、思わぬタイミングで暴落を迎えた事もありました。
判断するという事は難しい事
こういった割安割高等の判断は、数字や過去からのデータだけでは、予測しきれないということは誰しもがわかっている事です。
さて、そんな中 新興国市場にまだ伸びる余地はあるのか気になります。BRICsの投資妙味はまだあるのか。
そんな中、こんなツイートが。
アジアンデンジャラスさんのツイートを見てかなり気になってしまい、私が投資妙味を感じているインドについて調べてみる事にしました。
世界的評価を受けるインド市場
世界から期待をされているインド市場。
モディ政権のもと革新的な政策を打ち出し、新興国脱却に向けて全力で舵取り中。
世界経済が好調な事も相まって、インド市場は盛り上がっています。BRICsの中でも圧倒的高評価を受けており、インド市場は拡大を続けています。
以下のデータはインド市場の当年予想を踏まえてのデータですが、どのデータを取っても非常に高パフォーマンスを発揮しており、成長力にまだまだ余地あると考えられるため、投資妙味は大いにあると言えます。
株価収益率(PER)
株価キャッシュフロー倍率(PCFR)
株価売り上げ倍率(PSR)
株価純資産倍率(PBR)
データからわかる事実
株価収益率が高い評価を受けた場合、市場は基本的に割高という判断をします。
ですが、持続的に成長力が見込める材料などを持ち合わせている場合は、必ずしもそのような判断が正しいという答えにならない事が多いです。
先進国が成熟期に入り低成長経済に突入することを考えると、インド市場の価値が高すぎる・割高だと見られるのは仕方ないのかもしれません。
それに、新興国市場ではロシア・ブラジルが景気後退状態にある中で、インド経済市場が好調を持続しており、価格が何倍にもなっていることも市場価値が割高に見られる要因の1つだと考えられます。
インドの債務状況
インド市場が持つ課題は、市場への期待に見合うだけの成長を続けなければならないということです。
この課題において、現時点では好材料が揃っています。それは民間部門における負債は中国などに比べれば、取るに足らない程度だということです。これは、ブラジルとメキシコにも当てはまります。
インドは安定した金融政策と堅調な株式市場の推移により、これからも強い成長が続く可能性が高いと考えられます。
インド市場を牽引するIT企業
インド市場の指数には、他の新興国と決定的な違いが1つあります。
それはITセクターへの比重が大きいこと。
ITセクターは収益、キャッシュフロー、売り上げが今後も成長する見込みとされています。
さらに、収益を再投資して企業成長を優先しています。そのためインド株式市場の平均配当利回りは群を抜いて低いです。それでも日本とトントンですが。
各国の平均配当利回り
セクター比率はS&P500と似ている
インドの株式市場を示す指数を見てみると、米国株式S&P500指数と似ています。
現在のインド指数構成銘柄は、金融セクター比重が高いものの、ハイテクセクターに多く比重を置いている点など構成が似ています。
そのためS&P500指数、ナスダック総合指数なども適度に相関性があります。
このように相関性が高く、さらに今後の展開としてはS&P500を短期的には上回るのではないかという見方も強まっています。
ただし、米国市場は世界最強と考えても良いと思うので、いずれはアウトパフォームされてしまう可能性が高いですが、インド市場にもまだまだ投資妙味があるという事に変わりはないと考えられます。
割高とされる相場でも投資先はまだまだある
米国の成長が鈍化するからといって、投資を辞める必要は無いと思います。
こういった状況下で威力が発揮されるのが、分散投資の魅力です。
1つの市場に拘らず、世界各国の成長恩恵を受けて資産拡大を狙うことが出来るからです。
新興国だけでなく、欧州市場にもまだまだ多くの魅力があります。
本日、英国中央銀行は10年ぶりに利上げを発表しました。今後数年間で米国市場の成長よりも、欧州や新興国市場、さらには日本市場が大きく成長を続ける可能性があります。
分散のし過ぎはリターンを下げるといいますが、偏りすぎた比重でリターンを下げてしまうリスクもあります。
適度に分散させた方が良いと思いますし、世界経済は緩やかに成長していくことを考えれば投資妙味があると判断した国全てに投資しておけば、大丈夫なのではないでしょうか。
いずれにせよ、未来の答えは誰もわかりません。そのため私は今後もセコセコ分散投資を行っていきたいと思います。
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