ころすけのお金のお話

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【米国屈指の老舗百貨店】メイシーズ次世代百貨店へ(Macy's)


最近の老舗小売業界はボロボロでした。
ネットショッピング界の巨大モンスター企業が何でもかんでも最速で配達します。その上 安い。
なんて便利なサービスなのでしょうか。
スーパーも百貨店も、軒並みボコボコにやられました。
ですが、やられたらやられっぱなしでは済まないのが米国企業の競争力の強さです。
オワコンとまで呼ばれた百貨店。
虎視眈々と、復讐の時を伺っています。

Macy's

メイシーズは米国最大手の百貨店です。
対面販売だけでなく、カタログ販売及びeコマース子会社を通しての事業も展開しています。
男性用・女性用・子供用の衣料品、アクセサリー、化粧品、室内装飾品、その他広範囲にわたる商品を販売しています。
全米45州、グアム、プエルトリコに約800店舗を展開しています。


百貨店の終わりが見えた2017年

年初からメイシーズの株価は下がり続けるばかり。

売上を見ても2015年以降はボロボロです。
これはメイシーズだけではなく、他の米国百貨店全てに言えることです。
この背景にはAmazonが大きく影響しています。

メイシーズや他の百貨店は、置いてけぼりです。
それを他所にAmazonの株価は留まるところを知らず上がり続けています。
Amazonの影響力は非常に大きく、百貨店はこのまま終わってしまうとまで言われました。


百貨店vs Amazon

オンラインショッピングという、次世代のショッピングスタイルに追随出来なかった大手百貨店。
米国の百貨店は店舗が閉鎖され、売上高が減少し、人件費がかさみ、それを削るために多くの社員を解雇しました。

これとは逆にAmazonは売上拡大と共に、雇用も大量に生み出しています。
過去5年間、 Amazonは米国で15万人以上の雇用を作り出しており、2011年には3万人の従業員を雇用し、2016年末には18万人に増員しています。
さらに今年の年初には、CEOジェフベゾスが『新しいフルフィルメントセンターを開設し、クラウド技術、機械学習、高度な物流などの領域で革新を続けていくことで、今後18ヶ月で10万人の新しい人を社内に追加する予定である』と発表しています。

圧倒的。圧倒的大敗です。
結果的にぐうの音も出ないほど、米国百貨店はAmazonにコテンパンにされたのです。


百貨店のオンライン戦略とAmazonの実店舗戦略

百貨店の戦略

Amazonに遅れはとったものの、百貨店もオンラインショッピングに力を入れています。
さらに、メイシーズは海外への配送も積極的にアプローチしています。
メイシーズのショッピングサイトでは、すべての価格が日本円で表示され、精算時に関税や消費税を計算し、お得な国際配送料で、配送時の追加費用が一切無いという簡便さを実現しています。
ですが、依然として知名度の点で大きく劣っているのが現状です。
日本人の私は、さっきまでこんな事知りませんでした。

Amazonの戦略

AmazonのほうはAmazon Goのように実店舗戦略を加速させています。
オンラインショッピングを支配し、実店舗へも進出し始めたAmazon。
一体どこまで事業拡大していくのでしょうか。
そして、そのライバルと成り得るビジネスを持つ企業は現れるのでしょうか。


IBMに託されたMacy'sの未来

突然に現れたIBM。
メイシーズはAIを利用したモバイルショッピングアシスタントアプリ【Macy’s On Call】を開発しました。
このアプリは、IBMのWatsonのAPIを活用したものなのです。
現在、メイシーズのチームメンバーはIBM WatsonとSatisfiが提供する、新しいモバイルWebツールMacy’s On Callをテストしています。


Macy’s On Callに置けるWatsonの役割

このアプリを使った買い物客は、店舗において情報を素早く入手できるわけです。
通常であれば、店員に聞かなければわからないようなことをWatsonが答えるのです。

「靴はどこにあるか?」と入力すれば、店舗内の場所を表示します。
欲しいブランドや商品名を入力すれば、その商品に関連する回答がされます。
顧客がスムーズにショッピングを行える手伝いをするのが、自然言語機能を持つWatsonの仕事なのです。

Watsonが小売店等に導入されることで、さまざまなレベルで消費者との接点が生まれます。
これは、消費者の購買意思決定を支援するだけでなく、商品や施設、サービスを見つけやすくするという点で、店頭における体験にも効果があるとIBM Watsonのゼネラルマネージャーは話しています。

小売業の今後

人工知能が私たちの生活への影響力を増すにつれて、人間の仕事を人工知能やロボットが奪うのではないかという懸念が言われています。

ですが、今後デジタル店員が増えることで、顧客はより正確な情報を素早く入手できるようになります。
機械が代替できる仕事は人間がしなくても済むようになるわけです。
今後、人は人ならではの仕事をすることになるだろうと考えられています。
この事により、最低限の労働力と、接客レベルの確保が出来ると考えられているのです。
メイシーズが目指しているのは、従業員が顧客の複雑な要求に集中できるようにしながら、売上を拡大することです。
ですが、AIとIoTを駆使した単純施策では Amazonに太刀打ちする事は不可能だと思います。
新しい価値、新しい発想、今までにない百貨店構想を掲げなければ小売業でトップに返り咲く事は難しいのです。
日本の百貨店業界も、まだまだ逆風が吹き続けています。
時代の変化に対応していくために、メイシーズはどういった戦略を取っていくのでしょうか。
今後の動向に期待です。