ころすけのお金のお話

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【選択と集中】GEの経営方針は揺るがない


アメリカの大型コングロマリット GEことゼネラル・エレクトリックは、電力部門のGEパワーで人員の20%にあたる1万2000人を削減する計画を発表しました。
構造的コストを来年10億ドル減らす取り組みの一環により今回の措置を取ったとのこと。

市場環境での最善判断か

GEパワーは人員削減が『世界的な発電市場の厳しさ』によるものだと説明しており、石炭・ガスなどの発電の市場が軟調だと指摘しています。
GEは現在幅広い事業再編に着手しており、利益見通しの大幅な下方修正を明らかにしています。


GEパワーは中核となる事業部

石炭・ガス火力発電所向けのタービンを手掛けるGEパワーは、売上高、従業員数の両方でGE最大の部門。
昨年の売上高は約270億ドル、従業員は年初時点で5万7000人でした。
GEパワーのラッセル・ストークスCEOは「今回の決定には痛みを伴うが、電力市場の混乱で製品とサービスの量が大幅に減少している事態に対処するのに必要だ」と述べています。
こうした厳しい状況は今後も続くとの考えも示しました。

GEに迷いはない

事業改革が成功するか、株を保有している投資家は現状況に気が気では無いはずです。
ですが、投資家心理とは裏腹にGEの社内は暗いムードではありません。
フラナリーCEOを含め、GE再建に向けて前向きに全力で取り組んでいる為です。
やるべき事は明確に設定されており、目標とするゴールが定まっているため、それまでを全速力で駆け抜けるつもりです。
投資家に散々コテンパンに売られたGEは、なぜこんなにも早く対応出来るのか。
それは、GEの経営理念に忠実に従っているだけであり、その経営理念こそがいつの時代も生き残ってこれた答えなのです。



GEの選択と集中

GEと言えば、経営理念の選択と集中という言葉が有名です。
よく聞きますが、選択と集中とは一体どういうことなのか。

【選択と集中】とは、企業が行う複数の事業の中から、その企業が最も強みとする事業を選択して、そこに自社の経営資源を集中投入することで高い成果や発展を得ることができるであろう。と考える経営手法です。

また、選択するのは事業領域の中からだけではありません。
企業にとって重要となる顧客を選択し、その顧客のニーズにマッチする商品やサービスを展開するのも【選択と集中】の一環なのです。

【選択と集中】の有効性

【選択と集中】はなぜ有効と言われ続けているのでしょうか。
先程も少し触れましたが、その企業にとって必要不可欠な事業そうではない事業に分けて、必要不可欠な事業に経営資源を集中的に投資することが効率的な経営手法となるからです。

そして、赤字の事業や必要不可欠とはいえない事業を縮小、売却などの検討をすることで、ヒト・モノ・カネといった経営資源を必要な場所に投下してます。
また、シナジー効果を生まない事業を切り離し、収益拡大の効果を高めることが【選択と集中】が有効といわれる最大の理由です。


【選択と集中】のリスク

ただし【選択と集中】はどのようなケースにおいても有効というわけではありません。
まず【選択と集中】を行うこと自体が、リスクがあるということです。
確かに成功すれば、収益をあげる力は向上します。ですが、リターンがあればリスクもあるのです。
それは、特定の事業領域に特化するということは、分散投資ではなくなるということ。
それにより、外部環境の変化にも大きく左右させられる可能性が高くなるのです。


ライバルの存在

リスクの1つとして、新たな代替品が出た場合の脅威も大きいです。
この場合、自社の特化した領域の商品やサービスが顧客にとって魅力のあるものに映らなくなる可能性があります。
こうなった場合には収益拡大どころか収益が激減するおそれもあるわけです。

経営戦略

2つめのリスクは、長期的見通しに基づく経営戦略かどうかです。
仮に【選択と集中】により特定領域や特定顧客へとターゲットを絞ったとしても、長期的視野でとらえた場合に、その分野だけで経営を行っていくことはむしろ至難の業となる可能性もあるわけです。
短期的利益の追求のあまり、永続的な繁栄を見失う可能性もあるのです。


過去のGEを振り返る

2015年にGEは、中核事業ともいえる金融部門から前面撤退し、製造業に経営資源を集中すると発表しました。
GEの金融部門の中核はGEキャピタルという会社で、一時はGE全体の売上高、および利益の半分近くを稼ぎ出していました。
その事業から撤退するというのです。

GEが金融部門から手を引く理由

GEが金融部門から撤退する理由として、金融危機以降の融資事業での資金供給が非常に困難になってきたからです。
つまり、金融当局の規制が厳しくなり、単純に儲けづらくなったということです。
GEはこの時まさに【選択と集中】を進めて今に至ったわけです。


経営戦略において【選択と集中】は必須

【選択と集中】は、自社の強みだけではなく外部要因や他社が模倣できるか、シェアを奪われる要素がないか、などといった観点も考えなければならないのです。
実行すればそれで良しという訳にはいきません。
また、その後の展開も考慮したうえで【選択と集中】を行い、収益を高める戦略をとらなければならないのです。
これが出来ない限り、市場で企業は存続できません。

最後に

最終的に生き残れるのは、今現在収益を上げている企業ではありません。
どんな時でも、市場のニーズに対応し、臨機応変に変化し続ける企業が最終的には生き残ります。
形を変え続ける企業は、これからもこの先も変化をし続けます。
それは市場の変化に合わせるという、とてもシンプルな事をしているだけです。
1つの事業に固執せず、選択と集中により企業利益を追い続ける企業に私は魅力を感じます。