相場考察
今月の相場考察
世界の景気は堅調に推移していますが、米国長期金利が急上昇して米国株式が下落しました。
2015年8月に起きたチャイナショックの時と同じ程度ではないかと言われていますが、引き続き注意が必要だと思われます。
日本市場
米国の金利に振り回される展開
米国の金利の影響がとても大きいです。
日本株は米国株につられて動くことが非常に多く、ブラックマンデーのようなイベントには注意しておかなくてはいけません。
米国金利の上昇は米国株安となり、さらに日本株も連られて株安になります。
それに加えて、米国金利の下落はドル安円高となるので、さらに日本株安になる可能性が非常に高いです。
日本株は米国金利が上昇しても下落しても苦しい立場にあるということを理解しておきましょう。
米国市場
ブラックマンデーの再来か
FRBはリーマンショックから立ち直るため、景気刺激策として大規模な金融緩和をしてきました。
金融緩和を実行した事により米国の景気が回復してきたため、FRBは2014年頃に金融緩和を止めて、2015年からは金融引締を始めました。
そして、2017年10月からは金融引締のペースを加速していました。
金融引締を行なった事により、2018年2月1日から長期金利がグッと上昇しました。
米国で2月2日金曜に発表された雇用統計で、インフレ指標として注目される平均時給も予想を上振れたことでさらに金利が大きく上昇。
翌月曜に株式が大きく売られる展開となりました。
長期金利の上昇による株式相場の下落は、1987年10月に発生したブラックマンデーに非常に似ていることから、ブラックマンデーの再来ではないかと多くのアナリストは説明しています。
【イエレンからパウエルへ】パウエル新議長が握る株式相場はどうなるか
2月でFRB議長はイエレンさんからパウエルさんに交代しました。
パウエルさんは、これまでのFOMCで一度も反対票を入れたことがないほどの穏健派で知られています。
一部では「ワシントンで最も退屈な男」とイジられているほどです。
就任早々、米国株式が急落したのでこの難局に対し、新体制となったFRBがどのような対応を取るのか市場の最大の注目が集まっています。
言動や結果によっては、3月のFOMCは要警戒です。
欧州市場
景気は底堅く、ユーロ高が続く
ユーロ圏景気は順調に回復。
ECBの利上げが前倒しされるのではないかとの観測が強まっているため、ユーロ高が続いています。
1月のECB理事会で「現時点での経済指標等を見れば、2018年内利上げの可能性は低い」とドラギ総裁が発言。
ECBが想定しているよりも良い経済指標が出てくれば、利上げが早まる可能性も残されているため、市場は警戒しています。
ECB量的金融緩和のおさらい
ここで一度 再確認。
量的金融緩和とはユーロ圏諸国の国債や欧州系の国際機関が発行する債券等を買い取り、ユーロ圏にお金を供給する方法です。
2015年2月に決定された、資産買い入れプログラムとも呼ばれています。
現在、2017年までの毎月600億ユーロという買取額は、2018年2月以降は300億ユーロに減額されることが決まっています。
新興国市場
新興国相場の下落に注意
高い成長期待から、米国など先進国の投資家から新興国へ資金の流入が続いています。
米国の金利上昇が原因となり相場が悪化して、リスク回避の動きが起きれば、新興国株式市場も本格的な下落局面に入る可能性は考えられます。
ですが、現在のところ米国株式急落の影響は限定的という判断が多いようなので、新興国への影響もあまりないようです。
2018年 新興国の政治日程
3月にロシア、7月にメキシコ、10月にブラジルの大統領選挙と議会選挙が控えています。
そのため、選挙の結果次第では市場の変動が起きる可能性が考えられます。
気になる国
《ブラジル》
テメル現大統領による財政・構造改革が進み足下の経済は回復傾向にあります。
緊縮財政の手が緩み、金利が上昇するようであれば、財政赤字削減は難しくなる可能性が出てきます。
大統領選挙は1つのポイントとなると思われます。
《インド》
キャピタルゲイン課税強化により株価が下落。
長期保有の株式について、キャピタルゲイン課税を導入すると発表したため株価が大幅下落しました。
ですが、インドの潜在成長率は高い思っているので、落ち着きを取り戻すと考える事ができます。
データ引用
SBI証券|株・FX・投資信託・確定拠出年金・NISA
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